日本乳幼児精神保健学会FOUR WINDS 第22回全国学術集会 沖縄大会 | FOURWINDS 沖縄

ごあいさつ

 

 このたび、日本乳幼児精神保健学会 FOUR WINDS 第 22 回全国学術集会沖縄大会を  2019 年 11 月 23 日(土)、24 日(日)に琉球新報ホール(那覇市)で開催いたします。
 今回のテーマは、「童(わらび)どぅ宝~社会で支える親子の成長~」としました。「童(わらび)どぅ宝」は、沖縄方言で「子どもこそ宝」という意味です。
 乳幼児精神保健とは、お母さんをはじめとする家族をしっかりと支えながら赤ちゃんの心の健康を守り育てていくことです。わが国の乳幼児精神保健における課題は多様化・複雑化し、社会的支援を必要とする子どもたちやその親たち、また、これらの家庭を支援する行政や支援者などに寄り添って課題解決を図る専門的な取り組みが求められています。
 現在の沖縄は、貧困問題、マルトリートメントなどの子どもの養育の問題、DV、いじめ、10代の妊娠および若年出産や低出生体重児が全国平均より高い状態を維持しております。
 沖縄大会では、国内外から乳幼児精神保健の専門家、実践家、教育者や行政の方々に参加していただき、専門職者・関係機関の連携や子どもとその親の成長を地域で支える方策等について討論します。その成果として、子どもとその母親や家族が、社会から孤立することなく、安心して生活できる環境と支援のネットワーク構築に取組みます。
 本学術集会には、外国招聘講師にトラウマとゼロプロセスおよびその世代間伝達についての専門家でありますジョセフ・フェルナンド博士(精神分析医)をカナダからお招きします。フェルナンド博士の提唱された「ゼロプロセス」とは、戦争、地震・津波・洪水などの大災害や性被害などの悲惨な体験は、心を押しつぶすほど圧倒的であるため、心が凍結し、記憶に留めることができず、また、その出来事を自分の意思で思い出すことが難しい状態であると述べています。さらに、その体験の記憶は、無意識の領域である心の深層にまで押し込められ、無意識の領域を通じて思考パターン、認知、情緒や態度などが世代を超えて受け継がれると述べています。
 沖縄は、先の大戦において唯一激しい地上戦を経験し、多くの尊い人命が失われたと同時に、人々の心に大きな傷跡を残しました。また、沖縄では、戦争により生活の基盤である社会資本が破壊され、戦後(1945年)から本土復帰(1972年)までの米国統治と日本本土からの分離による社会、経済および教育などの不利な状況が長期に継続され、現在に至っています。その影響は、多方面に及び、戦争孤児の保育・育児、教育環境整備の遅れ、子どもの貧困、愛着障害などの世代間伝達など、日本本土とは異なるさまざまな問題があります。これらの問題について、基調講演、教育講演、シンポジウムや実践報告で取り上げたいと思います。
 今回は、大会前日にエクスカーションとして沖縄本島南部(糸満市)の「平和記念公園とひめゆりの塔巡り」を企画しました。沖縄の子どもたちの心の問題とも関係があると考えられる戦争について学ぶ機会となり、沖縄大会を実り多いものにしていただけるとありがたいです。
 皆様と学会会場でお会いできますことを楽しみにしております。多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

 

                      

2019 年(平成 31 年)3 月 1 日

日本乳幼児精神保健学会 FOUR WINDS

第 22 回全国学術集会沖縄大会

大会 新城 正紀

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